劇王東京Bブロック勝手に審査員


昨日みた芝居の感想です。コンペであったので、私も勝手に審査して季節柄「餅」をお配りさせていただきます。
餅点30個。(^ー^)ノ


YEN TOWN FOOLs
『「ぴり」と「プッチィー」のクラウニングシアター』
クラウン(ピエロ)のショートショートx3本。お菓子を食べるしぐさ、可愛い。頭の悪いピエロ、可愛い。手から離れないハンカチーフ、可愛い。ネジを巻き合うピエロ、可愛い。ネジを巻き合えなくて止まってしまうピエロ、切ない。最後に咲く花、切ない。年齢も国境も越える言葉のないこの世界は永遠であってほしい。
が、20分を「持ち時間」と解釈した3本のプレゼンはこのコンペが意図するものから外れてしまった(はず)。芸は秀逸。あちこちで老若男女を湧かせてほしい。場違い、ということから採点不能、餅なし。


ナイスコンプレックス
「可哀想な姉」
クッションペーパーを使った美術は家であり、窓であり、ナイフであり、心の中であった。アイデアのある美術。芝居は観せる&観るもの。20分しか使わない美術に命を吹き込む姿勢がいい。そして、唖である姉の独自の手話は、なんと魅力的であったことか。役者さんは男性だろう。その手の大きさの作る言葉の世界はダンスのようだった。20分で遥か彼方のどこかの街を飛行した気分。朗読劇ということになると思うのだが、少年と男との言葉のユニゾン(成長のプロセス)を長めに加えてほしかった(聞きたかった)。餅10個。


劇団5454
「ロンダリング」
風船を魂に見立て、ひとりの神が3人になって現れる「20分3人」の条件を見事に「三神一体」へと深めた非常に興味深い話。現実社会での3人の名前は「ソウ」「シゲル」「カイ」であり、これは神の仕事とされる「創造」「繁栄」「破壊」を表しているのだろう。そんな作家の匠な仕事と、心の中と現実をいったりきたりさせる展開の早さこそが、この劇団の醍醐味であり見慣れている観客には愉快でたまらない。が、初見では届きにくかった様子。決勝では、演出に磨きをかけ、ウラにどんな仕掛けがあるかなど関係なく、芝居の楽しさを観客に届けてほしい。餅12個。

劇団喫茶なごみ
「富子と重子、世界一周(仮)」
これはもしかしたら「だめよぉ~だめだめ」の女性二人の化粧と衣装を取った真の姿なのではないのか?と思ったのは私だけではないと思う。先のセリフだけが先に耳に届き、好きじゃないかも・・・と思っていた日本エレキテル連合を初めて見たとき、この人たちは役者でこれは芝居だ!もっと見たい!と思っていた。もしや、その夢が叶ったのではないか?後で「実は・・・」という種明かしがあるのでは?とどきどきした。公演があったら伺いたい。「土を踏むなー」(でしたよね?)以外、実はあまり動かなくても成り立ってしまう話であったかと思うので・・・すごく好きですが、餅8個。