モンブラン男爵③

「祖母の形見なんです」
テリーヌ夫人は、大きなエメラルドの指輪をテーブルに置きました。
「いやはや、これは見事なエメラルドですなぁ!」
モンブラン男爵は、指輪をそっと手に取りました。
「そちらをお預かりいただけないでしょうか」
「それはいったいどういう意味でしょう?」
「マカロン様から、旅に誘われたのです」
「ほほう!それはなんとも良いお話ですな」
「知り合ってまだひと月です。世間はどう思うでしょうか」