モンブラン男爵②

テリーヌ夫人はリビングのソファに浅く腰掛け、モンブラン男爵に言いました。

「‪大した事でもなく、気にしてもいない過去を、周りの方々が問題視なさると、こちらはなんら声明を出さなくてはなリません。コーヒーの苦味を美味しいと思えるような早熟な子どもでしたら、そんな自己犠牲に酔うのも一興でございますが、残念なことにわたくしは大人なのでございます」

はて?テリーヌ夫人はいったいなんの話をはじめるのでしょう。モンブラン男爵は、身を乗り出して夫人の話に耳を傾けました。