ややご無沙汰のうちに
悲報のすぐ前日まで、パリではATPパリ大会が行われていた。そして現在、ロンドンにて世界8強によるツアー・ファイナルが行われている。その優勝賞金と補欠でロンドンに入る選手のギャランティの高額さに、世間はどうして?と思わずにいられないであろう。テニス界になぜこんなにお金があるのか?においては「広告になる」としか、理由は見つからない。
テロとプロテニス。地球はなんてたくさんのギャップを抱え、自転しているのであろうか。
「パリの友達無事だったー!よかったー!ホッ・・・」。そんなツブヤキを目にしつつ「よかったね。あなたの友達は無事で。でもね、たくさんの人が死んだんだよ。あなたには関係ない人でもみんな誰かの家族だし、誰かの友達だよね?そして、日本は関係ないと思ってるの?」。ってイラついたけど、じゃ、あなた(私)は何わかってんの?何ができんの?って内なる声もする。圭君が負けた、とか言って落ち込んでたくせに!!・・・だめですね(涙
さて、時計。ATPスポンサーとして目立つ位置にいるロレックス、タグホイヤーなどの一流時計ブランドの広告予算はいったいいくらなのだろう。デパートの催事(つきあい)に行くと、600万、800万、一千万・・・そして一億円の時計をジャンジャン見せられる。たかが、私なんかに、である。余談だが、こういった場において時計や宝飾品は必ず高い順に紹介される。一億を見たあとの一千万、一千万をみた後の100万は「あら?意外とお安い?」という気持ちにさせる。数字はそういう力を持つ。
私は若い頃フリーランスのコピーライターであったので、20万円を稼げることに大きな充実感と達成感を得たものだが、今は何が出来るのかわからない、学校出たてでゆげの立つ若者でさえ「最低にじゅうくらいは」とのたまう(弊社の社員のことではない)。「払うほうも大変なのよ?」と、人によっては親身にアドバイスもするが、通りすがりの人たちとはお互いグッドラックでお別れである。
会社を創って22年。ふたりで始めて今20人。ちっちゃな会社である。そんなちっちゃな会社でも、経営者には常に悩みがつきまとう。社員に「迷惑をかけない」ように、日本に「税金を真面目に納める」ために、「売り上げなければ死!」というあの気分。結局何が自分の幸せだっけ?と、聞く相手さえもないほどに孤独で、「じゃ、やめればいいじゃん?」と何度泣きはらした鏡の中の自分と話し合ったかわからない。でもやめることはできなかった。なぜか?たいした答えでもない。「始めちゃったから」である。会社は始めるのは簡単だが(今の時代は特に、)やめるのはなんだか難しいのである(いつかはやめるが)。
出社後のアイドリングタイムにFacebookを見ていたら、全日本プロレスの秋山さんが投稿していた。潮崎さん、曙さんに続いて鼓太郎さんも辞めるとのこと。「自分のせい」と秋山さんは書いていた。確かに、会社の全ての出来事は良くも悪くも社長のおかげで・社長のせいである。が、それは延いてであって、決定要因ではない。責任を取るのが社長の仕事のひとつであるだけだ。辞める理由について鼓太郎さんは、契約が締結後に二転三転したため「1年の契約をした後、変更になることはプロとして納得できなかった」とおっしゃっている(出典は以下に)。
・・・つらいですよね。経営者として秋山さんの心境は血が出るほどわかる。特に秋山さんは自分が創った会社ではなく、ある意味「みんなの全日本だから守らなきゃ。誰かがやらなきゃならない。俺でいいなら俺はやるよ。みんな、よろしく頼むよ!」という気持ちでお引き受けになったのではないか、という気がする。鼓太郎さんに限らず、働く側の人は権利とか条件を言えるので、もし「それ言えるほど、オマエで稼げてると思う?」って言いたければ契約前でなければならない。契約した後条件を変える、はだめ。なので鼓太郎さんの退団理由は正しい。ゆえにとってもつらい。
ただ、どんな時でもどんな仕事や会社でも言えることだけど、お客さんには関係ない。お客さんが何にお金払ってくれてるのかを間違わなければ、何があってもそれは成長へのプロセスと考えて前に進んで行くしかない。
プロテニス界はたくさんのお金があるけど、選手の寿命はプロレスよりずっと短い。テリーさんドリーさん、そして渕さんの試合に、別な意味で手に汗握っていられるプロレス界が私は好き。頑張ってください!
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